破滅への導火線

原発事故後、毎日のように放射能汚染に関するニュースが流れています。
私たち人類に、そして環境に多大な被害をもたらすであろう放射能漏れ事故。
自身の被曝を顧みず現場で作業している皆さんには本当に頭が下がります。
なんとか最小限の被害で収束に向かいますよう、心よりお祈りいたします。

「放射能」・・・それは私が子どもの頃、怖ろしい物の代名詞でした。
目に見えない物に対する恐怖心、さらには映画やテレビの影響もあってか、
放射能に汚染された人間は、ビジュアル的におぞましい諸症状を呈して、
100%死に至ってしまうのだと単純に思っていました。
そしてその後にやってくるのが、人類はおろか地球上の全生物の滅亡。
「放射能」と「放射線」や「放射性物質」との違いが全くわかっていなかった
少年時代のことです。

放射能にまつわる映画で思い出されるのは、口から大量の放射線を吐き出す
『ゴジラ』(1954年)やフランキー堺主演の『世界大戦争』(1961年)、
外国映画では『渚にて』(1959年)あたりでしょうか。
これら3作品とも私が生まれる以前の制作ですが、一見の価値ありです。
特に『世界大戦争』は若い人たちにも是非観ていただきたいお薦め作品です。

その他に、原子力潜水艦の原子炉故障に立ち向かう『K−19』(2002年)、
原発事故によるメルトダウンの危機を描いた『チャイナ・シンドローム』
(1979年)などが思い出されます。
ちなみに、世間で「〇〇〇〇シンドローム(症候群)」と使われ始めたのは、
この作品からだったように記憶しています。

映画の世界では「ああ怖ろしい。」で済みますが、現実にはチェルノブイリや
スリーマイル島、はたまた今回発生した福島第一原子力発電所事故のように、
原発事故による放射能汚染は、人類を破滅へと導く導火線になり得るのです。

ゴジラファン東宝特撮ファン必見

最後の勇姿

先日、非常に前評判の高かった『グラン・トリノ』を観てきました。
なるほどラストシーンでは、あちらこちらからすすり泣く声が・・・。
エンドロールが始まっても席を立つ人は皆無で、この衝撃的な結末の
余韻をあたかも全員で共有しているかのようでした。

クリント・イーストウッド扮する孤独で偏屈な年老いたウォルトと
その隣に越してきたアジア系移民一家との心の交流を描いた佳作で、
簡単に言うと、「遠い親戚より近くの他人」的メインテーマが全編を
通して、とてもいい感じに描写されていたかと思います。

ネタばれになってしまいますが、ウォルトがダーティハリーばりに
歯をむき出しにして、「ウーッ。」と低く唸るシーンやイタリア人の
床屋のオヤジとの掛け合いのシーンなど笑いどころも幾度とあって、
俳優として最後の出演作品といわれる本作はイーストウッド監督の
集大成として十分満足できる出来栄えなのかもしれません。

たしかにイーストウッドは渋くて存在感のある演技を見せてくれ、
ほとんど無名ではありますが、ロー家の姉弟スーとタオやウォルト
に懺悔を促す若き神父ヤノヴィッチら共演者たちも良かったし、
全体の脚本や音楽も素晴らしかったと思います。

しかしながらウォルトがとった最期の行動だけは、正直なところ
どうにも腑に落ちない感覚を持ってしまいました。
病魔に蝕まれた体で、危機的状況な友人のために何ができるのか。
暴力が更なる暴力を生む報復の連鎖を自らの命と引き換えに絶つ。
老兵の出したその答えは私の心には到底響きませんでした・・・。

<キネマおやじの勝手な評価:80点>

『グラン・トリノ』日本語版予告編

一大歴史大河ドラマ <2>

『レッドクリフ PartU −未来への最終決戦−』を観てきました。
さあ、いよいよ“赤壁の戦い”だとワクワクしていると、む、むぅ〜っ、
またしても肝心の戦闘がなかなか始まりません・・・。
孔明が10万本の矢を用意する有名なエピソードや周瑜の離間策に
よって曹操に処刑されてしまった蔡瑁、張允のくだりはわかるの
ですが、やたらと無駄なシーンが多かったことが少々残念でした。

オリジナルの『三国志』、『三国志演義』には無かったと思われる
尚香(孫権の妹)や小喬(周瑜の妻)に焦点を当てたエピソードも
コアな三国志ファンに受け入れられるかは微妙なところでしょう。
史実の設定上仕方ないところもありますが、関羽、張飛、趙雲ら
劉備軍の目立った活躍がほとんど無かったのも寂しかったです。

が、しかし、大スクリーンに展開される赤壁の壮絶な戦闘シーンは
迫力満点で、元々敵同士の周瑜と孔明の友情や信頼関係は上手く
描かれていたのではないでしょうか。
(演義によると二人がお互い心許すことは無かったようですけど。)

周瑜が曹操に情けを掛けるラストシーンなどに代表されるように、
ジョン・ウーが曹操を絶対的な悪者として描いていないところも
賛否両論あってしかりだと思われますが、『レッドクリフ PartT』
の時にも言ったように、ジョン・ウーならではの娯楽作品として
楽しむのには申し分の無い出来だと感じました。

<キネマおやじの勝手な評価:73点>

『レッドクリフ PartU −未来への最終決戦−』予告編

ヒーロー再見

およそ1ヶ月ぶりの更新となりましたが、皆さんお元気でしたか?
昨晩ケーブルテレビで、『ドラゴンへの道 最後のブルース・リー』を
目にした私は、久々ブルース・リーの勇姿に圧倒されました。
テレビ画面から溢れ出る彼の肉体の躍動美にいつもながら感動し、
あらためてブルースが不世出の武道家であることを再認識しました。

初めて彼に出会ったのは私が11、2歳の頃、今は閉館してしまった
大阪千日前の国際劇場で上映された『燃えよドラゴン』でのこと。
そのあまりのカッコよさに、おもわず館内の売店でプラスチック製の
ヌンチャクを買ってしまい、すぐにでも振り回したい衝動を抑えて、
南海電車に揺られながら家路についたことを思い出しました・・・。

特に同じ年代の男性の方なら共感していただけることと思いますが、
何度もヌンチャクの練習を重ね、当時流行ったカンフーパンツ(?)を
はいた私はすっかりカンフーの達人気取りで、髪型までブルースの
真似をしたものでした。(苦笑)

ヌンチャクは目一杯振り回すと、頭やひじに当たってとんでもなく
痛いので、新聞紙やビニールテープを使って軟らかいものを自作し、
毎日毎日腕を磨いていました。
サイドキックや後回し蹴りなんかもよく練習したなぁ・・・。

残念なことに日本で『燃えよドラゴン』が劇場公開されたときには、
すでにブルースはこの世にいなくて、その事実を知って愕然となり、
その後公開された『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』、
『ドラゴンへの道』は哀悼の意も込め、すべて映画館で鑑賞しました。

私の大好きなスティーブ・マックイーンやジェームズ・コバーンが
ブルースを師と仰いでいたことや、芸能界にも竹中直人や関根勤、
内村光良に今田耕司、沢村一樹など熱狂的なファンが数多くいる
ことは、ブルースが私たちに与えた影響は計り知れなかったという
ことを物語っているのではないでしょうか。

男女を問わず誰にでもヒーローやヒロインは存在すると思いますが、
今考えれば、私にとっての最大最強のヒーローは“ブルース・リー”
だったのかも知れません・・・。

若き日のチャック・ノリスとの死闘


余談ですが、『燃えよドラゴン』に下っ端役のジャッキー・チェンが
ブルースに首をへし折られるシーンがあるんですね!!

こちらは若き日のジャッキー・チェン

人生捨てたもんじゃない

昨晩、NHK・BS2にて面白い番組が放送されていました。
それは、AFI(アメリカ映画協会)が選出した『アメリカ映画・
勇気と感動ベスト100』という、ランキング形式で感動できる
映画を紹介したものでした。

“映画芸術の遺産を保護し前進させること”を目的とする機関
AFIが選出したベスト100には、これまでにも「伝説のスター」
「コメディー」 「スリラー」 「ロマンス」 「英雄と敵役」 「主題歌」
「名セリフ」など、様々なジャンルの名作が選ばれてきました。

今回取り上げられたのは、これまで多くの人々に勇気と感動を
与えてくれたまばゆいばかりの歴代の名作たちです。
“勇気と感動”に限定していませんが、以前私がこのブログで
推奨した良い映画ベスト10とはだいぶ違っていました・・・。

1位 『素晴らしき哉、人生!』
2位 『アラバマ物語』
3位 『シンドラーのリスト』
4位 『ロッキー』
5位 『スミス都へ行く』
6位 『E.T.』
7位 『怒りの葡萄』
8位 『ヤング・ゼネレーション』
9位 『三十四丁目の奇蹟』
10位 『プライベート・ライアン』

とても古いモノクロ映画が5本ほど含まれていて、お若い方には
「なんだこりゃ!?」的なランキングかもしれませんね・・・。
1位の『素晴らしき哉、人生!』は私もトップ10に挙げましたが
いかにもアメリカ人が好みそうなハートフルで元気の出る名作で、
アメリカで最も親しまれた作品としてよく知られている映画です。

逆境続きで失意の主人公ジョージが、見習い天使クラレンスとの
関わりを通じて自分の存在理由を人と人との繋がりや心の温かさ
から見出していく・・・安易なハッピーエンドに終わらせなかった
ところが巨匠フランク・キャプラの真骨頂でしょうか。

スティーヴン・スピルバーグが生涯のベストシネマと語る本作、
私も困難な状況に直面したときには今でもよく観たりしています。
100年に1度の大不況といわれる日本ですが、この作品を観て
心の洗濯、気持ちの大掃除をしてみてはいかがでしょうか・・・。

素晴らしき哉、人生!.jpg

<キネマおやじの勝手な評価:95点>

ラストシーン百景

映画には感動のラストシーン、驚愕のラストシーン、小粋なラスト
シーン、衝撃(笑撃?)のラストシーンなど様々なエンディングが
ありますが、あなたの一番記憶に残るラストシーンは何ですか?

以前にこのブログでもご紹介した『ニュー・シネマ・パラダイス』や
『街の灯』、『素晴らしき哉、人生!』、『情婦』や『スティング』、
『心の旅路』なんかもいいですが、他にも、当時とてもこの世のもの
とは思えない美しさだったアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』や
エンディングの後味の悪さでは屈指の『セブン』、何てことなんだ!と
一緒に絶句した『猿の惑星』、トロッコに乗って二人が旅立って行く
『小さな恋のメロディ』、私には結末が読めてしまった『シックス・
センス』などが思い出されます。

この他にも少々お遊びが過ぎた感もある『ゲーム』や、謎が謎を呼ぶ
『ユージュアル・サスペクツ』、ラストほんの一瞬でしたが、おしっこを
漏らしそうになった『キャリー』なども印象深い作品でした。

そしてそして遅ればせながら、先月ケーブルテレビで鑑賞したのが、
『パーフェクト・ストレンジャー』でした。
ラストのどんでん返しを期待させるCMの宣伝コピーに胸を躍らせて
観たのですが、正直言って拍子抜けしたというか、思っていたほどは
面白くなかったです・・・。
劇中、ラストに向けての伏線が張られているわけでもなく、唐突に
犯人は○○だと言われても、なんだかなぁ・・・って感じでした。

「ラスト7分11秒、あなたは絶対騙される。」(違う意味で、
騙されてしまいました・・・)、「ラスト7分11秒、想像を遥かに
超える衝撃の真実が明かされる。」(変に想像を超えていました・・・)
これらのキャッチコピーはいかにも過剰広告だったみたいです。

難しい役柄を器用に演じたハル・ベリーとは対照的に、ブルース・
ウィリスの使い方が何とも勿体ない気がしたのは私だけでしょうか。

<キネマおやじの勝手な評価:45点>

予告編だけ見るとすごく面白そうですが・・・

一大歴史大河ドラマ <1>

昨日、チョー遅ればせながら、『レッドクリフ』を鑑賞してきました。
三国志を語る上で欠かせない、有名な“赤壁の戦い”に焦点を当てた、
ジョン・ウー監督ならではの壮大な戦国絵巻物といった趣でした。

最初に三国志に興味を持ったのは中学生の頃、ふと書店で手に取った
柴田錬三郎の『三国志 英雄ここにあり』で、3巻組だったのですが、
あっという間に読み終えてしまい、なんとまあ面白い物語なんだろうと
興奮しっぱなしだったことを今更ながら思い出してしまいます・・・。

それからはいつものごとく、興味を持つとのめり込む性格が顔を出し、
吉川英治の『三国志』、これを原作に書かれたと言われる横山光輝の
漫画『三国志』などを時間も忘れて、読みふけっていたものです。

ほぼ同時代に生きた陳寿が記し、元々歴史書として存在した『三国志』
でしたが、その後民間伝承を経て、明代に羅貫中(施耐庵という
説もあり)が『三国志演義』なる歴史小説として集大成したものが
大衆に好まれ、もてはやされ、後に世界中に広まっていったのです。

以来色々な作家の手により、様々な三国志が世に出ることになります。
例えば、陳舜臣の『秘本三国志』は曹操ファンは大喜びするが、関羽
ファンにはお薦めできないなど、作者の視点によって登場人物の性格が
違ったり、時代背景の解釈が異なったりして、なるほど面白いですね。

そして、映画『レッドクリフ』はどうだったのかというと、2部作のために
良い所で終わってしまうと事前に知っていたことを割り引いたとしても、
素直に楽しめた娯楽大作だったと思います。

主演の周瑜役のトニー・レオン、孔明役の金城武の熱演には、好感が
持てましたし、その他のキャストも私の抱いていたイメージにほど近く、
すんなり入り込むことができました。

なかでも、私が劇中最も好きな蜀の闘将、フー・ジュン演じる趙雲の
扱いが大きかったのが、個人的にとても嬉しかったですね。
曹操の大軍に追われて敗走した際に、劉備の実子、阿斗(後の劉禅)を
助け出し、自ら抱えて劉備の元に連れ帰ったシーンには痺れました。

中村獅童が演じていた“甘興”なる呉の猛将がスクリーンに登場すると、
「おいおい、そいつは甘寧やろっ!」と心の中で秘かにツッ込みました。
なんでも、日本人の役者が演じることとなって、急遽、架空の武将に
変更されたということです。(事実確認は取れていませんが・・・。)

三国志の予備知識が無くったって全然大丈夫で、当日私の妻も一緒に
観たのですが、それまで全く三国志を知らなかったにもかかわらず、
「絶対、パート2が観たい!!」って、喜んでいましたから。
(実際に、水上での赤壁の戦いが始まるのは第2部からになります。)
それぐらい三国志って魅力的なんだということを改めて実感しました。

次の日に、北方謙三著の『三国志』の1巻と2巻を買って帰った私は、
何十年かぶりに再び、ドップリ浸ってみようかなと企んでいます。

<キネマおやじの勝手な評価:84点>


3分でわかる三国志


5分でわかるレッドクリフ

T−800再び

ついに人気SF映画シリーズ最新作『ターミネーター4』のT−800を
演じる俳優の名前が明らかになりました。

『ターミネーター4』のT−800役はシュワちゃんと同じ
ボディービルダー出身の俳優に!


ターミネーターといえば、ご存知アーノルド・シュワルツェネッガーの
出世作でもあり、最大のハマリ役でもあります。
この度大役を任されるローランド・キッキンガーは、シュワちゃんとは
オーストリア生まれでボディビルダー出身であることなど共通点が多く
今度の最新作にもおもわず期待してしまいます。
記事にある1枚の写真だけじゃよくわかりませんが、シュワちゃんの
イメージが余りにも強すぎて、ピンとこないのは仕方がないでしょうね。

これまでターミネーターシリーズは3作目を除いて、スクリーンでも
鑑賞していますし、DVDも持っているのに、テレビで放映されるときは
必ずといっていいほど観てしまいます。
『ターミネーター3』はDVDを買って観ましたが、女ターミネーターの
リアリティの無さと前作のエドワード・ファーロングに代わって
ジョン・コナー役を引き継いだニック・スタールのミスキャストが
致命的となり、面白くなかったとは言いませんが、前2作と比べて
かなりもの足りない出来でした。
そんななか『ターミネーター2』は今まで何度観たか覚えていないくらい
私にとって特別大好きな、お気に入りの1本です。

初めて映画館で観たときの感動や驚きは今でも鮮明に覚えています。
CGが既存の映画の概念を根底から覆すであろうことを予感させた
『ジュラシック・パーク』の映像の素晴らしさに感動したのと同様に、
CGのこれから無限に広がるであろう可能性にワクワクさせてくれた
『ターミネーター2』の映像の凄まじさに驚愕したものです。
ただ、昨今CG全盛の映画界ではありますが、もはや私たちは少々の
映像では驚かなくなってしまっていて、CGの技術だけが突出した
中身の伴わない作品が巷に溢れかえっています。

私がお薦めする映画が、30年前、40年前、さらには50年前の
古い作品が多いのは、監督の演出や力量、俳優の演技力や存在感、
脚本や編集、音楽にカメラワークなどトータル的に出来映えが良いと
いうか、単純かつ純粋に良いからです。
「白黒はなぁ・・。」と古いモノクロ映画を敬遠する食わず嫌いな人に
ぜひ一度観てほしい作品がまだたくさんあるので、これから少しずつ
こういった良い作品も紹介していきたいと思っています。

誰のために闘うのか <2>

前から観たいみたいと思いながら、観そびれていた一本が『シンデレラマン』です。
前回の『チャンプ』では父と子2人の“親子愛”がその根底にありましたが、
この作品では妻と3人の幼い子供たちとの“家族愛”がテーマになっています。

恐慌が吹き荒れる時代、生活苦にあえぐロートルボクサーのラッセル・クロウが、
愛する家族のためにプライドをかなぐり捨てて、物乞いまでして懸命に頑張ります。
そんな彼にある時、親友のプロモーターの尽力で再びチャンスが巡って来ます。
怪我でライセンスを剥奪された彼が、タイトルマッチにまで上り詰めたのでした・・・。

チャンピオンとのファイトシーンも迫力があり、ラストは『ミリオンダラー・ベイビー』
救われないシーンが一瞬頭をよぎりましたが、ハッピーエンドで終わってよかったです。
母親役のレネー・ゼルウィガーの静かだけれど力強い演技もキラリと光りました。

父親の強さ、夫の強さとは何か・・・あらためて自分の胸に問い直した感動作でした。

<キネマおやじの勝手な評価:78点>


『シンデレラマン』の動画はこちらからどうぞ

誰のために闘うのか <1>

この数日で、心に残るボクシング映画を2本観たのでご紹介したいと思います。
1本目は2度目の鑑賞となる『チャンプ』で、2本目は初見の『シンデレラマン』です。

『チャンプ』は劇場で観たのではなく、公開後ずいぶん経ってからレンタルビデオで
観ましたが、映画館でなくてほんとよかったなと安堵するくらい、恥ずかしながら
途中からずっと泣きっぱなしでした・・・。

今回もその時の記憶が残っていて、冒頭から瞳がウルウルしまくりで困ったもんです。
主演のジョン・ボイトの息子役で出演していたリッキー・シュローダーの演技が
ずば抜けて上手なのがその大きな理由で、けなげに、しかも一途に父親を、
それもダメおやじを愛するリッキーのひたむきさが私たちの涙を誘います。
子役の神がかり的な演技にはめられてしまう作品ですが、泣けること間違いなしです。

公開時期が『ロッキー2』と重なったため、余り話題にならなかったと記憶してますが、
父親のことを決して「パパ」と呼ばず、「チャンプ」と尊敬してやまないリッキーと
そんな息子のために命がけで闘うジョン、2人の親子愛は観る者の魂を揺さぶります。

<キネマおやじの勝手な評価:89点>


『チャンプ』の動画はこちらからどうぞ


こちらはエンディング、ネタばれ注意です

ハンサムV9天に翔ける!!

映画「007」シリーズのロジャー・ムーアの吹き替えなどで
知られる声優、広川太一郎さんが亡くなられていたそうです。
1995年に山田康雄さん(クリント・イーストウッド、ルパン三世)
と富山敬さん(スティーブ・マーティン、宇宙戦艦ヤマト・古代進)
が相次いで死去されたとき以来のショックでした・・・。

私のような大の映画好きにとって、吹き替えをされる声優さん
たちにもたくさんの思い入れがあるものです。
この広川太一郎さんはロジャー・ムーア以外にも、ロバート・
レッドフォードやトニー・カーティスの吹き替えでもお馴染みで
「しちゃったりなんかして〜」などの“広川太一郎調”と呼ばれる
独特の軽妙な語り口で私たちを大いに楽しませてくれました。

私的に一番印象深いのは、『チキチキマシン猛レース』という
ずいぶん昔の米TVアニメに登場する“ハンサムV9”に乗る
キザトト君というキャラクターなのですが、ご存知でしょうか?
例の広川節でのオカマチックなアテレコは忘れられません・・・。
(あ〜っ、ブラック魔王にケンケン・・・久々に見てみたいなぁ。)

今まで長い間、私たちに夢と笑いをもたらせてくださったことに
感謝するとともに心よりご冥福をお祈りいたします、さようなら。

『浅田飴』のCMにて、黒柳徹子さんと


『チキチキマシン猛レース』日本語版オープニング

キネマおやじ感極まる!!

記憶喪失、健忘あるいは認知症といった“記憶”を題材にした
映画はこれまでたくさん作られてきました。

最近の邦画で言うと『明日の記憶』『博士の愛した数式』
(どちらも未見です・・・すみません。)、洋画では
マット・デイモン扮するジェイソン・ボーンが大活躍する
ボーンシリーズ三部作(このシリーズはおもしろいです。
特に3作目の『ボーン・アルティメイタム』は必見!!)、
その他『メメント』(時間軸の逆行というアイデアの勝利!)や
『バタフライ・エフェクト』(こちらもシナリオの勝利です!)
などがあげられるでしょうか。

そんな中、今から約66年前に製作された『心の旅路』
(マーヴィン・ルロイ監督)という名作があります。
昔、若い頃にNHKで観て、とても感動したのを覚えています。
二度の記憶喪失にその運命を翻弄される男女(スミシーと
ポーラ)の悲哀を描いた作品で、ポーラ役のグリア・ガーソンが
ひたすら一途に愛を貫き通す女性を見事に演じています。

この物語のキーワードになっているのは、文字通り“鍵”
なのですが、ポーラが「スミシー、オー、スミシー!」と叫ぶ
ラストシーン(ハッピーエンドです♪)を思い出すたびに
いつも目が潤んでしまいます・・・。
特に少し冷めてしまった、あるいはマンネリぎみなカップルや
ご夫婦にぜひ観ていただきたい本当に良い映画です。

因みにスミシー役のロナルド・コールマンの独特の口ひげは
後に日本で“コールマンひげ”と呼ばれ、彼のトレードマーク
となりました。

<キネマおやじの勝手な評価:90点>

感動のラストシーンです

大人のためのファンタジー

年末年始は地上波でもBSでも映画をたくさん放送してくれて
とても嬉しいものですが、昨晩はケーブルテレビで久しぶりに
『フィールド・オブ・ドリームス』(3回目)を観ました。

ケビン・コスナーが一番輝いていた頃のベースボールを題材と
した作品で、序盤からの少々強引な展開がいかがなものかとも
思いますが、心温まる上質なファンタジーに仕上がっています。

ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、
確執を持ったまま亡くなった父親が若かった頃の姿で現れ、
和解を願う息子とキャッチボールをするという最後のシーンには
いつ観てもウルッときてしまいます・・・。

往年の名優であるバート・ランカスターが医者役で元気な姿を
見せてくれていたり(この作品の数年後に死去しましたが)、
テレンス・マン役で好演しているジェームズ・アール・ジョーンズ
『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーの声役だったり、
今やすっかり悪役が板についてきたシューレス・ジョー役の
レイ・リオッタが若くてスリムだったりと、他にも見所満載です。

あと蛇足になりますが、ノンクレジットでベン・アフレックや
マット・デイモンがエキストラ出演しているらしいのですが、
残念ながら私には確認できませんでした。

<キネマおやじの勝手な評価:83点>


『フィールド・オブ・ドリームス』の動画はこちらです

イエス・キリストとキネマおやじ

クリスマスほど定着している外国の行事はありません。
最近ではハロウィンも少しずつ認知されてはきましたが、
まだまだクリスマスの盛り上がりには程遠いですよね。
バレンタインデーはそれなりに頑張ってはいますが、
イースターなんか意味も知りません・・・。

そんなクリスマスが今年も目前に迫ってきましたが、
元来、イエス・キリストの降誕を祝う記念日なんですね。
私はクリスチャンではないですが、ふと数年前に見た
メル・ギブソンが私財を投げ打って製作したという
『パッション』という映画を思い出してしまいました。
「・・・しまいました。」と書いたのは、正直なところ
あまり思い出したくなかったからです・・・。
この作品をご覧になった方はおわかりのことと思いますが、
その内容たるやスクリーンをまともに直視できないぐらい、
過剰なまでの痛々しくて残酷なシーンが延々と続きます。

いろいろと考えさせられた一本ですが、見終わった後の
脱力感というか、疲労感はひどかったように覚えています。
普通なら上映が終わると、エンドロールから席を立って
通路を急ぐ道すがら、「いや〜っ、面白かったなぁ。」とか
「あの場面は感動したよ。」とか「最後のどんでん返しには
ほんとまいったよなぁ。」などと騒がしいものですが
この映画に限っては、誰ひとりとして口を開くものもおらず
重苦しい空気の中、さながら葬儀での焼香の列の様でした。

キリスト教徒には特別な意味や深い感慨があるのでしょうが、
ごく一般的な日本人には素直にお薦めできないと思います。
でもイエス・キリストの神としてでなく、一人の人間としての
生き様(死に様?)をその目で見、その肌で感じることは、
決して無駄ではないのかもしれませんが・・・。

<キネマおやじの勝手な評価:35点>

痛々しいシーンが若干含まれております

良い映画とは? <2>

すいません、まだまだ映画ネタが続きます・・・。

前述のように良い悪い・好き嫌いの基準は人それぞれですが、
例えば何本かの秀作を除いて、アルフレッド・ヒッチコックの
作品は個人的にあまり評価していません。
こう書くと世に数多くいらっしゃるヒッチコキアンの皆さんから
烈火のごとくお叱りを受けそうですが、人の嗜好は千差万別、
十人十色で絶対的普遍的な良い映画は存在しないということ
なのでしょうか。

私の周りの人たちは皆こぞって、『ショーシャンクの空に』
大絶賛するのですが、私にはその良さがよくわかりません。
(またまた怒られそうですね・・・。)
これだったらほぼ同時期に同テーマを扱ったケビン・ベーコン
主演の『告発』のほうが数段上だと思いました。

このように、世間の評判はすこぶる良いのに自分にとっては
「なんだかなぁ〜・・・。」な作品や、周りの評価はさんざん
なのに「これって面白いじゃんかよっ。」的な作品があれば
教えてもらえませんか?


『告発』の動画はこちらからどうぞ

良い映画とは? <1>

前回思いつくままに10本の良い映画をご紹介しましたが、
自身の良い映画の解釈が曖昧なことに気付きました・・・。

良い映画の定義とはいったいどういうものなのでしょうか?
例えば、心から共感し涙にむせぶ感動作だけが良い映画で
あって、バイオレンスシーンやセックス描写の含まれる
映画は、果たして良い映画ではないと言えるのでしょうか?

私が選んだ10本の中の1本である、たった一人という
孤立無援の状況下でテロリスト達と派手なドンパチを
繰り広げる『ダイ・ハード』や、『ターミネーター2』
ようなSFアクションの大傑作もバイオレンスシ−ン満載
ではありますが、良い映画に含まれると思います。

おもわずやられたと唸るしかない『情婦』『スティング』
などの大どんでん返し型の名作もとても面白いですね。
歴史物だと清朝最後の皇帝である愛親覚羅溥儀の数奇な
運命を描いた『ラストエンペラー』が大好きですし、
夢や希望、あるいは愛情や勇気を与えてくれるような映画も
もちろん良い映画ですよね。
そういう意味ではトム・ハンクスやロビン・ウイリアムスの
コメディ作品も心温まる良い映画に違いありませんし、
かのチャールズ・チャップリンの『街の灯』『キッド』
『ライムライト』なども一度は見てほしい不朽の名作です。

見る人によって良い映画の定義は様々ではありますが、
これからももっともっといっぱいの良い映画たちに
触れ合っていけたらいいな〜と思っています。


『情婦』の動画はこちらからどうぞ


『街の灯』の有名なラストシーンです

久々のキネマおやじです

“良い映画”ってやっぱり素晴らしいものですよね!
感性や価値観、物の考え方など人によって合う合わない
は当然ありますが、単純に面白い映画、心に響く映画、
すがすがしい気分にさせてくれる映画、何度でも見返し
たくなる映画、悟りや気づきをもたらせてくれる映画・・・。

私はこれまで映画からいろんなことを感じ、学び取って
きました。確かに低俗で悪趣味なひどい作品も世の中に
数多くありますが、できるだけたくさんの良い映画に
出会って、良い影響を受けて、良い人間になりたいと
切に願っています。

そんな映画大好きキネマおやじが特にお勧めする映画を
順不同で思いつくまま10本ご紹介しておきますが、
良い悪い、面白いつまらないなどの判断は人によって
異なりますので、あくまでも参考までということで
よろしくお願いします。

●素晴らしき哉、人生!
●ニュー・シネマ・パラダイス
●大脱走
●十二人の怒れる男たち
●ルディ/涙のウイニング・ラン
●情婦
●ペーパー・ムーン
●ダイ・ハード
●遠い空の向こうに
●恐怖の報酬(1952年度版)

皆さんはこれまでどんな良い映画に出会えましたか?

『素晴らしき哉、人生!』のエンディング


『十二人の怒れる男たち』の動画はこちらです


手に汗握る『恐怖の報酬』のワンシーン

キネマおやじ号外!!

『ALWAYS 三丁目の夕日』
今日、久しぶりに心温まる日本映画を見ました。
キネマおやじは基本的には邦画は見ないんですが、
これはほんとうに良かったです。

昭和33年のお話だそうで、私が生まれる4年前と
いうことは、ほぼリアルタイムに近いですか・・・。
東京と大阪の違いはあれど、あんな風景だった
ように思います。

吉岡秀隆、堤真一、小雪、薬師丸ひろ子、堀北真希
など、キャストが素晴らしかったのに加え、
特筆すべきは子役の二人の演技力です。
その演技に不自然さはまったくありませんでした。

ストーリー展開がやや断片的に進むのが少々
気にはなりますが、CGをふんだんに使用したと
思われる当時の風景といい、視覚的にも
とても良く出来た好作品だと思いました。

<キネマおやじの勝手な評価:78点>


中国語字幕入り(笑)動画はこちらからどうぞ

キネマおやじ見参!!

子どもの頃、それもまだ字幕もろくに読めない頃から
よく父親に連れられては、映画館へ行ったものです。
私のこの映画好きは、そんな父親譲りに他なりません。

一番映画を見てたのは中学生、高校生の頃でしょうか・・・。
テレビとかレンタルビデオとかじゃなくって、
純粋に映画館で見た映画の本数ですよ。
もっともその当時レンタルビデオなんて無かったですよね。

せっせとアルバイトに精を出しては、映画館に足を運ぶ。
そして見終わった後、帰り際に窓口で次回ロードショー
の前売り券を買ってしまうんです。
そうすることによって、ねずみ講の無限連鎖じゃありませんが、
半強制的に映画を見続けることになります。
それに加えて、前売り券を買うと必ずチラシが付いていたので、
チラシ収集の目的もかなりありましたけど・・・。

そんな小さな頃から映画漬けの私のお気に入りの一本は、
ベタベタですが、『ニュー・シネマ・パラダイス』です。
よく好きな映画のランキングの上位とかに入ってたりしますが、
“感動の嵐”とか、“涙が止まらない”とか、そういった類の
作品じゃないので、前評判の高さの割りにはどうだか・・・
と少し拍子抜けされた方も多いと思います。

が、しかし、私のように小さな頃から映画三昧な境遇の人間
にとっては、ノスタルジックというか、何とも言えないような
ほのぼのとした良い気分にさせてくれます。

このブログのメインコンセプトは、
“パワーストーンで、幸せになろう!”なのですが、
映画もまた人に幸せを与えてくれるツールのひとつですね。

<キネマおやじの勝手な評価:92点>


日本語版予告編はこちらからどうぞ

キネマおやじ

“音楽”もそうなのですが、“映画”もいったん
話し始めたら、朝まで平気でしゃべり続けることが
できるくらい、大、大、大好きです。
そんな大好きな映画を語る上で、私にとって決して
避けて通ることができないアクターがいます。
すでに亡くなってから、明日11月7日で
丸二十六年が経ちますので、特にお若い方たちは
ご存じないかもしれませんが・・・。

その俳優の名は、スティーブ・マックイーンといいます。

透き通るようなブルーの瞳で上目遣いに恥ずかしそうに
はにかむ姿は、今でも忘れることはできません。
といっても、顔はサル顔だし、背もそれほど高くないし、
どうして彼はそんなに魅力的なのでしょうか?

彼の最も有名な代表作は、色々な意見があるでしょうが、
私的には迷うことなく『大脱走』をあげます。
マックイーン演じる連合軍捕虜のバージル・ヒルツは、
ドイツ軍の捕虜収容所からことごとく脱走を試みますが、
そのたびに捕らえられては、独房へぶち込まれてしまいます。
そしてまたしても、真っ暗な監獄で次の脱走計画を練る・・・。

そうです、ここがキーポイントになります。
大勢に立ち向かう「反骨の精神」。
決してあきらめない「不屈の闘志」・・・。
後の『パピヨン』『タワーリング・インフェルノ』
にも通ずるこれらのキーワードこそが、
彼の魅力を最大限に引き出していると思います。

“男が男に惚れる”、ひとことで言うと
スティーブ・マックイーンとはそういう俳優でした。

スティーブ・マックイーンのトリビュートです


『大脱走』のDVD用予告編
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